近年、毎年のように自然災害に遭っていると感じている方は多いのではないでしょうか？

これまで前例のない「線状降水帯」や、さほど接近することのなかった地域にまで影響するようになった台風、そして各地で地震が次々に起こっています。

なので、防災に強い家とはどういった家なのか、そして準備しておきたい防災グッズにはどのようなものがあるのか、ご説明していきます。

防災への意識を持った家選びのヒントになればと思います。

 

家選びに「防災」、「減災」を取り入れる！

家の購入は、人生のなかでも重大なイベントです。

家造りや家の購入を考える時には地域・間取り・デザイン・価格などのさまざまな判断や、家族と過ごす事を思い描き、準備して計画していくと思いますが、そこに新たに「防災」、「減災」も加えることが重要になります。

防災を考える理由としては、ここ最近の自然災害へ準備を整えることと、もう一つに「在宅避難」があります。

災害が起こった時には避難所が設けられますが、自宅を離れたくないことや感染症予防の見解から、最近は在宅での避難も増加しているからです。

初めに、ここでは防災に役立つ住宅設備についてご説明します。

 

防災や減災を取り入れたい住宅設備は？

家を購入する場合は、住みやすさを優先しますよね。

そのため、防災対策設備を導入する時は、防災や減災としての機能性だけでなく住みやすさも兼ね備えた設備を選ぶと良いでしょう。

①備蓄庫

在宅避難でもっとも重要なのは水と食料の確保です。

家族が少なくとも1週間程暮らせるだけの飲料水や食料、トイレットペーパーなどを蓄えて置けるスペースを確保することが大切です。

②太陽光発電と蓄電池

太陽光発電は損傷がない限り、災害時でも電気を使用できます。

災害が発生して苦労することの一つが停電で、照明や家電が使えないのみならず、熱中症などの間接的被害に繋がってしまうこともあるので、太陽光発電はおすすめです。

また、太陽光で発電した電気を蓄電しておくと、夜間も電気が使えるので災害時には非常に重宝します。

③エコキュート

太陽光発電と併せて検討を推奨するのが、エコキュートです。

エコキュートは電気でお湯を沸かし、貯湯しておける装置で、災害時にはタンクに貯めた水やお湯を取り出して生活用水として使用できます。

④IHクッキングヒーター

災害時のライフラインの復旧は電気が一番早く、ガスが最後になります。

ですので、コンロは災害対策の観点から見るとIHがおすすめです。

⑤シャッター・飛散防止フィルム

最年は台風の接近も多いので、飛来してきた物による窓ガラスの破損が多発しています。

窓ガラスが破損すると、割れたガラスによる怪我や、強烈な風が直接室内に吹き込み、とても危険です。

対策としては、シャッター（雨戸）の取付けや、飛散防止フィルムが効果的です。

こういった防災を意識した住宅設備は、災害時だけに作用するものではありません。

普段から食材や日用品の在庫スペースや、日頃からの省エネ（光熱費の削減）に効果的なのです。

 

防災に強い家をつくる！災害別に強い家の持ち味とは？

日本の住宅は、建築基準法により構造性能の基準が厳正に定められています。

そこで、災害別に防災対策となる要点をご説明します。

 

地震に強い家の特徴

①構造

最初の条件は、しっかりした耐震性能を持っているかです。

最近は、構造上「耐震等級3」を持つ強靭で丈夫な一般住宅も増加しています。

一般的には木造よりも鉄筋コンクリート（RC）造などの方が耐震性は高くなりますが、RC造の一戸建ては非常に高くなるという欠点があります。

②立地

家を立てる立地も大切で、液状化する危険性がある地域の場合には事前に「地盤改良工事」をやっておくことも必要になりますが、それより前に地図・ハザードマップなど国や自治体の公開情報を見ることも重要になります。

③間取り

建物は普通、壁（耐力壁）が沢山ある方が地震に強くなります。

ですから、耐震性の観点では大きな吹き抜けや柱・壁のない大空間は構造計算された間取りでない限りマイナスといえます。

壁が良いバランス配置された間取りの方が、防災上は良いといえます。

 

水害に強い家の特徴

①構造

水害に強い家とは、「浸水」しにくい構造の家の事です。

浸水には「床下浸水」と「床上浸水」がありますが、水害対策を考慮した上で、床上浸水しにくい構造・形状を優先することが重要です。

なぜかと言うと、床上浸水した場合には、床や壁の全体を貼り替え、断熱材の交換、室内の殺菌・消毒などが不可欠になり、床下浸水に比べ、復旧期間も費用も比較にならない位に大きくなるからです。

②立地

水害に強い家を建てるなら、水場から離れている場所が一番です。

川の氾濫で水害に遭う確率が高いため、川から離れた場所は外せません。

しかし、どうしても川の近くになった時には、構造や間取りで強い家にしていくことが重要になります。

③間取り

水害に強い間取りは、1階が浸水した場合でも2階で普段に近い生活がキープできることが肝心です。

生活スペースを2階に構えると、万一、1階が浸水した時でも2階にキッチンやリビングがあるので、普段に近い生活を送ることができます。

また、電気系統が水に浸かると電気が使えないだけでなく、漏電火災などにつながる場合もあるので、室外機やコンセントなどはできるだけ高い位置に設置することが重要です。

 

もしもの時に用意しておきたい防災グッズ

どれほど強い家に住んでいても、自分の大事な家族を守るために大切になるのが防災グッズです。

「万が一」の災害に備えて、防災グッズの準備を考えている方は多いと思いますが、ここでは実際に必要なものをご紹介します。

 

防災グッズは持ち出し用、自宅用に分ける

まず、防災グッズが必要になった時のことを考えると、2種類が必要だとわかります。

避難所へ避難するときに持っていく防災グッズと、避難はせず自宅にいて、ライフラインが止まってしまった時に不可欠となる防災グッズです。

 

持ち出し用防災グッズ

避難所へ避難する場合には、防災グッズを自分で持っていくことになります。

それを考えると、必要な分だけにまとめることは大事ですよね。

また、この持ち出し用防災グッズは避難する時だけではなく、自宅に残る時にも使用することになるので防災グッズのベースとなります。

①食料

②飲料水

③衛生用品、医薬品、生理用品

④貴重品

⑤その他

携帯電話の充電器、照明器具（懐中電灯など）、ペットを飼っている世帯ではペット用の防災グッズなど

 

 

自宅用防災グッズ

自宅用とは、自宅か避難所以外での避難を見込んだ防災グッズです。

併せて、ライフライン（水道・ガス・電気）が使えない状態で必要なものを準備することが大事です。

①毛布、寝袋

②災害用調理器具

③簡易トイレ

防災グッズは家族構成によっても差が出るので、普段から防災意識を持って家族で話し合いながら備えることが大切になります。

 

最近の災害のように、災害は数百年に一度生じるものではなく、毎年起こる身近な物だということを知っておくことが大事です。

防災グッズは家族で準備することができますが、防災に負けない家は仲介をお願いする不動産会社や施工会社などとの意識と情報の共有が重要です。

家族を守る安心安全な家の購入に、ぜひ防災、減災を取り入れてみましょう。

防災に強い家の購入をご検討される場合には、今回の記事を参考になさってください。